- 目の前に人がいると「なにか話さなきゃ」と緊張してしまう
- 沈黙になるのが怖くて、自分ばかりしゃべり倒してしまう
- いつも言いたいことを伝えられない
こんな悩みを抱えていませんか?
その悩み、聞き方を学べばすべて解決します。
なぜなら会話が上手な人はみんな聞き方が上手だからです。
そもそも人は本来、自分の話をすることが大好き。
だから話を聞いてくれる人の方が圧倒的に求められており、自分が主体的に話をしなくてもいい場合が多いんです。
今回、紹介する「人は聞き方が9割」の著者、永松茂久さんは2020年のビジネス書年間ランキングで日本一に輝き、現在は執筆のほか、講演やコンサルティングに引っ張りだこの会話の達人。
そんな永松茂久さんでも「コミュニケーションにおいては、話し方より聞き方の方が重要である」と本書では語られています。
この記事では誰でもできて効果が絶大な聞き方をピックアップして紹介します。
この記事を読めば相手が勝手にあなたのことを好きになる最高の聞き方が学べます。
それでは、いってみましょう。
話し上手より聞き上手の方が求められる理由とは
口数の多い少ないは個人によりありますが、人間は自分の話を聞いてもらいたい生き物です。
自分自身を振り返ってみてください。苦しい時や行き詰まった時、自分の思いを話すことで楽になった経験、ありませんか?
脳科学的な観点からも人は話すことで心理的快感を得る生き物です。
会話が上手な人はこのことを理解しています。
だから必要に応じて聞き役にまわり、相手が話しやすいように質問をするときには、相手が欲しい球を投げ返せるんです。
会話が上手い人はみんな知っている3大心理
■人は誰でも自分がいちばん大切で、自分にいちばん興味がある
■誰でも自分のことをわかって欲しいし、認めて欲しいと思っている
■人は自分のことをわかってくれる人のことを好きになる
会話が上手な人はこのことをよくわかっています。
だからこそ、聞き方が大切です。
人は本来、話したい生き物。
これだけでも頭に入れておいてください。
ねえ、聞いてる?はなぜ起こる
話を聞くことの解釈がずれていると「ねえ、聞いてる?」と相手は不安になります。
「ねえ、聞いてる?」に対して「話を聞いている」と答える人はその人の言葉の意味を聞いています。
たとえば、
「今日、仕事でこんなことがあってね」
「へえ、そうなんだ(そんなことがあったんだな)」
「(え、それだけ?どうだった?とか、もっと反応してくれないの?)そうなの、大変だったの」
「そうなんだね」
「ねえ、ちゃんと話し聞いてる?」
このように「ねえ、聞いてる?」と聞く人は話の奥の感情に共感してもらいたいんです。
それなのに聞いている側は言葉の意味を聞いて、答えを出そうとしたり、話のオチを探している。
だから相手は不安になり「ねえ、聞いてる?」と聞いてしまいます。
このすれ違いのせいで人間関係がうまくいっていないパターンがとても多い、と本書では語られています。
そもそも聞き上手はかなり少ない
あなたの記憶のなかで聞き上手だと思う人はどれくらいいますか?
おそらくですがかなり少ないか、ひとりもいないのではないでしょうか?
そう、聞き上手は希少な存在なんです。
話し方教室はあるのに聞き方教室はないように、話し上手に対する憧れや需要があるのに対して聞き上手にはイマイチ華やかさがないのも原因かもしれません。
でも、人は本来話したい生き物。聞き上手にはとても需要があります。
だからこそ、聞き上手は人の周りには人が集まるんです。
聞く力の恐ろしさを知ったテレビ実験
著者は、たまたまテレビで観た実験で、聞く力の恐ろしさを知ったと語っています。
登場するのは男性6人と女性3人。
男性は3人ずつの2グループに分かれます。
第1グループの男性陣は女性と話すのが苦手。見るからにモテとは無縁そうな人たちです。
第2グループの男性陣は女性と話すのが得意。スタイリッシュなイケメンたちです。
グループに分かれた男性陣と女性3人。この6人で5分間会話をしてもらいます。
女性の足元にはボタンが置いてあり、会話が面白ければボタンを押す仕組み。
会話終了時にどれだけポイントがたまっているかを競います。
まずは第1グループ。女性と話すのが苦手なグループがチャレンジです。
スタートから男性たちは緊張でガチガチ。女性たちも「あなたたち大丈夫?」と不安そう。
テレビの前の視聴者も「もうやめてあげて!」と言いたくなる状況でした。
その結果は5ポイント。だけど5ポイントも取れただけでもスゴいくらいです。
次は女性と話すのが得意なイケメン軍団。
会話の冒頭から女性を褒めたり、冗談を言って笑わせたり、さすがのアプローチ。
結果は85ポイント。イケメン軍団の完勝でした。
「やはりトーク力は大切なんだな」と思いました。しかし、この実験の恐ろしいところはここからです。
条件が変わった2巡目
ディレクターが女性たちに“ある指示”を与えて、2巡目のトークタイムが始まります。
なんとその2巡目では、非モテ軍団が30ポイントと大躍進。
一方、イケメン軍団は15ポイントまで下がり立場が逆転してしまいました。
ディレクターは女性陣にどんな指示を与えたかと言うと、
■非モテ軍団が話しているあいだは「とにかく笑顔でオーバーリアクションをとり、面白そうに話を聞く」
■イケメン軍団が話しているあいだは「どんなに相手が一生懸命でも、真顔でまったく頷かずに話を聞く」
ディレクターは女性たちへ聞き方に対する指示をだしていたんです。
すると、非モテ軍団は相手のリアクションに嬉しくなり、トーク中も身振り手振りが増えてどんどんポイントを重ねていきました。
対するイケメン軍団は、何を話してもノーリアクションの女性たちを前に、表情は固くなりおでこには脂汗。それを拭いながら一生懸命に話すという、なんともかわいそうな状況でした。
この実験では聞く側のリアクションにより相手の話しやすさや、会話の盛り上がり方が変わるということが証明されました。
聞く力を磨けば沈黙も怖くない
会話中の沈黙って怖いですよね。
世界のなかでも日本人は会話における沈黙を怖がる傾向にあるようです。
でも、聞き方を磨けば沈黙が怖くなくなります。
なぜかというと、沈黙を恐れるのは会話の主導権を握る側。つまり話す側だからです。
想像してみてください。
相手が話す側、あなたが聞く側だとします。
「最近、こんな面白いことがあってね」
「へえ。すごいね!」
「そうなの!あとはね…。(あれ、なんだっけ?なにを話そうとしてたんだっけ)」
「大丈夫。ゆっくりでいいよ。そのとき、どんな気分だったの?」
「………あ、そうだ!そのときはね」
こんなやりとりのあいだでも、聞き手に回っていれば沈黙を恐れることはありません。
ただニコニコしながら相手が話し始めるのを待っていればいいのです。
沈黙を恐るのは会話の主導権を握る側。
沈黙が怖いなら、相手が気持ちよく話せるように会話をコントロールする聞き役に徹するようにしましょう。
会話が盛り上がる魔法の傾聴5選
■表情
■うなずき
■姿勢
■笑い
■感賛
ひとつずつ深堀りして解説していきます。
表情
世界の共通語は英語ではなく笑顔です。
とくに初対面の相手と話すときは笑顔の先出しを意識してください。
ポイントは眉間。眉間を開くと目が笑って見えますし、眉間を閉じると真剣な表情になります。
驚いたリアクションをしたいときは、眉毛を上にあげる感覚で目をみひらきましょう。
これはアイブロウフラッシュというテクニックで驚きや興味を伝えることができます。
口元が隠れたマスク時代。自分が思っている以上に笑顔は相手に伝わりません。
多少おおげさにやるのがコツです。
うなずき
うなずきのふたつの意味は「頷き」と「肯き」。
うなずきには「あなたのことを肯定しています」という意味もあります。
このうなずきにも強弱をつけます。
弱:首は動かさずにアゴだけを動かすイメージ。
中:頭ごと下へ持っていくイメージ。
強:首、頭すべて使って背中まで引っ張るイメージ。
うなずきはオーケストラにおける指揮棒といっしょ。
タイミングと強弱で相手の深い話しを引き出しましょう。
姿勢
会話中は相手に身体を向けることを意識しましょう。
腕組みやふんぞり返った姿勢はNG。相手に不快感を与えてしまいます。
それと姿勢とは話がズレますが注意したいのがスマホ。
会話中にスマホを触る行為は「ファビング」と呼ばれ、相手に疎外感を与えてしまいますので注意してください。
ヘソを向けると会話が弾みます。
笑い
お笑いが日常に根付いたこの現代。どうやって相手を笑わせようかとやっきになってしまうのは間違った行動です。
正しくはいかに相手の話で笑うかです。
お笑い芸人でもない素人が相手を無理に笑わせようとしたら、いきすぎたイジりや悪口に走ってしまうことをよく見かけます。
そうではなく、相手が言った小さな話を何倍にもして笑う。
笑うことで相手は安心感を持ちます。
笑わせようとするのではなく、笑ってあげようって意識が大切です。
感賛
感嘆+称賛=感賛です。
簡単に言えば驚きと褒めをするリアクションのこと。
驚き=へー!お〜!ほー!きゃ〜!わあ!
褒め=すごい、いいね、ステキ。
これらを会話のなかで多少オーバーに行います。
「先月、出世して役職が上がったんだよね」
「おー!すごいじゃん。がんばりが認められたってことだね!」
こうやって驚きと褒めをひとまとめにして、相手に返していくことでドンドン相手は気持ちよく話せるようになっていきます。
魔法の傾聴は、意識さえすればいますぐに実践できて効果も抜群。少しずつ使いこなしていきましょう。
聞いてくれる人がたったひとりでもいれば救われる
人は孤独になると判断を誤る。定年退職した、とある刑事のお話です。
刑事は「犯罪を生み出すいちばんの原因は、孤独感だ」と話します。
そのことを強く感じたのは、刑事人生のなかで印象的なエピソードがあったからと語ります。
それは取り調べでの出来事。
「今まで誰も自分のことをわかってくれなかった。でも刑事さんが、人生ではじめて俺のことをわかってくれた気がするよ。違う場所でもっと早くにあんたに会えてたら、ここにはいなかったかもしれない。ありがとう、俺のことをわかってくれて」
本書226ページから引用
犯罪とまではいかなくても、人は孤独を感じると冷静さを失います。
生きてきたなかで、辛かったこと、理不尽な扱いを受けたこと、孤独を感じたこと、誰でもあるはずです。
そんななかで自分の話を聞いてくれる人は、暗闇を照らす一筋の光。
聞き方を磨くことで、人の暗闇を照らす光になることができるんです。
ぶらすろ的まとめ
- 人は本来、話したい生き物。そのことを会話上手ほどよく知っている。
- いまの時代、話し上手よりも聞き上手の方が求められている。
- 魔法の傾聴は意識すれば今日から実践ができて、その効果は抜群。
そのほかにも
・聞き方で、多くの人が「損をしている」
・なぜ会議は面白くないのか?
・口下手でも話し上手を超えることができる
・嫌われない聞き方
・「上の立場の人」ほど孤独になりやすいと理解する
といった内容が本書には書かれています。気になった方はぜひ、本書を手に取ってみてください。
本の内容は気になるけど読書をするのが苦手。
読書をする時間がない人にはオーディオブックがおすすめ。
「人は聞き方が9割」はAmazonAudibleの聴き放題で聴くことができます。
詳しくはこちらの記事をお読みください。
読書嫌いの僕を本好きに変えたおすすめの読書法【聴く読書:Audible】
人は聞き方が9割。間違いなく名著です。